人工知能と意味の形式的理論 Part 1
■ 動画紹介
本動画は、人工知能と意味の形式的理論(マルレク:2019年1月8日開催)と題して、丸山不二夫先生が登壇します。
【登壇概要】
人工知能研究の大きな課題の一つに、意味の理解をどのように機械上で実現するかという問題があります。講演では、まず、この分野で、現時点で一定の成功を収めている三つのアプローチを紹介します。
Part1 は、Amazon Alexa, Google Home 等のボイスアシスタント・システムで多く利用されている、ヒューリスティックなアプローチです。そこでは、チューリング・テストをパスすることを意識した、意味のプラグマティックで「操作主義的」理解が中心にあります。
Part2 は、Google等の大規模な検索エンジンやDiffbot等が利用している。Knowledge Graph的なアプオーチです。グラフの規模の大小はあるのですが、そこで中心的な役割を果たしているのは、「エンティティ・モデル」です。
Part3 は、Googleニューラル機械翻訳の成功に刺激を受けた、「機械翻訳技術」の発展と普及を背景としたアプローチです。そこでは、大規模なパラレル・コーパスを大規模なハードウェアを利用して「学習」が行われます。
講演の後半は、現在の実装技術の紹介を目的とした前半と切り口が異なります。「意味の理解」は、「意味」についても「理解」についても、新しい枠組みが必要だというように、丸山は考えています。また、そうした理論は形式的なシステムで記述できるとも考えています。
次のような話をします。
・ 文法の構造と意味の構造の対応、あるいは二つの構造の「二重化」の必要について。
・ 理論とモデル。数学での意味の扱いに学ぶ。
・ ローヴェールのFunctor Semantics
・ 新しい「型の理論」
■ コンテンツ一覧
■講師・スピーカー紹介
- 丸山 不二夫
- 東京大学教育学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。稚内北星学園大学学長、早稲田大学大学院情報生産システム研究科客員教授等を歴任。オープンソースのコミュニティ活動に積極的に参加。日本Javaユーザー会名誉会長。日本Androidの会名誉会長。クラウド研究会代表。 近年では、日本のIT業界がグローバルな技術イノベーションの一翼を担うことを目標に、連続講演会「マルレク」を主宰し、クラウドコンピューティングや人工知能などの技術について講演を行っている。
丸山事務所(マルレク): http://www.digital-life365.com/
日本Androidの会: https://www.android-group.jp/
過去の講演資料: https://goo.gl/XM5YsT
2016 年9月更新